第ニ話「赤鬼」
萩津茜 1 わたしは時折、今夜みたいな怪物に襲われる。そいつはわたしの思惟によるもののように思えるのだけれど――自閉的な傾向に対するメタファーのようでもあって、徐ろに角の輪郭が判然としたり――とも思えば単なる形而上の存在かのようにわたしに認識させたり。その怪物は、結局のところいつだって、何度襲いに […]
萩津茜 1 わたしは時折、今夜みたいな怪物に襲われる。そいつはわたしの思惟によるもののように思えるのだけれど――自閉的な傾向に対するメタファーのようでもあって、徐ろに角の輪郭が判然としたり――とも思えば単なる形而上の存在かのようにわたしに認識させたり。その怪物は、結局のところいつだって、何度襲いに […]
柴野日向 なけなしの五百円を支払い、カルピスウォーターの入ったプラスチックカップを受け取った。薄い味をちびちび啜って後ろの方に着く。小さなライブハウスはそれなりにお客が入っていた。 駅前でフライヤーを配っていた女子高生は、僕が自分の母校の生徒だと知ると、ただでチケットをくれた。せっかくだし、暇だし […]